今期は大幅増益の見通し 強気の予想を開示した理由は?
ちゅうぎんFGは今期(2025年3月期)も増収増益を見込みます。銀行単体でも経常利益および純利益は増益の計画です。経費や与信費用は増加を予想しますが、粗利益の増加が上回る見通しです。
【ちゅうぎんFGの業績予想(2025年3月期)】
・経常収益:2040億円(+10.4%)
・経常利益:345億円(+10.6%)
・純利益:240億円(+12.2%)
※()は前期比
※参考(中国銀行単体):コア業務粗利益:931億円(+10.4%)、コア業務純益370億円(+17.8%)
この業績予想を、プロは「意欲的」と捉えたようです。2024年6月に開催された機関投資家向けの決算説明会では、強気の計画を出した背景に関して質問がありました(出所:ちゅうぎんFG 決算説明会 主な質疑応答)。
過去の推移を見ると、近年は確かに保守的な予想が多いようです。ちゅうぎんFGの期首予想は、2021年3月期から4期連続で実績を下回っています。
【ちゅうぎんFGの純利益】
期首予想 | 実績 | 実績の 期首予想比 |
|
2020年3月期 | 138億円 | 119億円 | -13.7% |
2021年3月期 | 111億円 | 144億円 | +29.7% |
2022年3月期 | 147億円 | 183億円 | +24.4% |
2023年3月期 | 186億円 | 204億円 | +9.6% |
2024年3月期 | 150億円 | 213億円 | +42.0% |
※2022年3月期までは中国銀行
※2023年3月期は期首予想が中国銀行、実績がちゅうぎんFG
出所:ちゅうぎんFG 決算短信
取締役頭取(代表取締役)の加藤氏は先の質問に対し、従来は保守的な計画を出すことが多かったと認めた上で、目標は「ある程度チャレンジに設定すべき」という考えを明かしました。営業店に自主目標を導入し、実績などから「まだまだ上を目指してやれる」という手ごたえを感じているようです。
高い目標を掲げるちゅうぎんFGですが、達成には自信をにじませます。加藤氏は今期の計画に関し「必ず達成していける」と表明しました。
進捗も順調です。第1四半期の実績で、経常利益および純利益は期首計画の約4割に達しています。
【ちゅうぎんFGの業績(2025年3月期 第1四半期)】
・経常収益:524億円(25.7%)
・経常利益:137億円(39.7%)
・純利益:93億円(39.1%)
※()は期首予想に対する進捗率
目論見通り、ちゅうぎんFGは目標を達成できるのでしょうか。中間決算は11月に公表される予定です。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)