世界と逆行 インフレにストレスを感じる日本人が急増
そもそも私たちは何にストレスを感じているのでしょうか。グローバルで投資業務を行うフィデリティ・インターナショナルが世界23の国・地域の20歳~75歳のそれぞれ1000人(日本、米国、中国は2000人)に行ったウェルビーイングや金融行動に関する調査の中には、ストレスを感じる項目を選択してもらう質問も。
図表1 あなたは上記の項目についてどの程度ストレスを感じていますか?
結果、日本、世界全体ともに「生活費の上昇/インフレ」にストレス(ある程度のストレス+大きなストレス)を感じると回答する人が最多でした。最近はインフレによる消費低迷もささやかれていますが、やはりみなさん、インフレに最もストレスを感じているみたいですね。
興味深いのは2022年の前回調査からの変化で、世界ではインフレにストレスを感じる人が6%減少したのに対して、日本は逆に5%も増加していること。もともと先にインフレになったのは米国など海外で、コロナ禍で低迷した経済が活動を再開した2021年春頃から。その後、為替レートの上昇などを通じて日本でも2022年秋頃からインフレが顕著に。日本と世界でインフレに時間差があることが原因かもしれません。
インフレの影響もあってか、日本は「老後資金の不足」にストレスを感じる人も前回から6%増加し、2位に急浮上。逆に前回調査で1位と3位だった「新型コロナウイルス」と「国際政治情勢」はトップ3圏外になるなど、今回、日本のストレスランキングは大きく入れ替わっています。