今回の調査は、2008年から2022年に首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城)で竣工された新築マンションを対象に、2023年1月から12月までの間に中古物件として売り出された際の価格を基に算出されたものだ。

1位に輝いた三井不動産レジデンシャルは、高級マンションからファミリー向けマンションまで幅広いニーズに対応する物件を供給し、高い資産価値を維持している点が評価された。特に、「パークタワー」シリーズをはじめとする都心型タワーマンションの価格上昇が大きく貢献した。

2位は住友商事。同社のマンションブランド「クラッシィハウス」は、「機能と美の融合」をコンセプトに、主に都内など好立地での供給に注力している点が強みとなった形だ。

3位の大和ハウス工業は、「愛され続ける場所になる。」をコンセプトとするマンションブランド「プレミスト」を展開。総合ディベロッパーとしての強みを生かし、質の高い物件を提供している。

4位には、関西圏で7年連続1位を獲得している阪急阪神不動産がランクインした。同社のマンションブランド「ジオ」は、永住を見据えた品質の確保にこだわり、顧客目線を重視した住まいづくりが特徴だ。首都圏では厳選したエリアを中心に供給を行っており、その点が今回の結果に繋がったと言えるだろう。

5位は伊藤忠都市開発。同社は、「創造」と「信頼」を住まいづくりの指針に掲げ、伊藤忠グループの総合力を生かした物件供給を行っている。都市部へのマンション供給割合が高く、それが値上がり率に影響を与えたとみられる。

 

出所:スタイルアクト株式会社 「売主別 中古マンション値上がり率(騰落率)ランキング2023(関東版)」

 

今回の調査結果から、都心部を中心に、大手ディベロッパーが手掛けるブランドマンションの資産価値の高さが改めて浮き彫りになった。一方で、阪急阪神不動産の躍進は、首都圏においても同社の物件に対する需要の高まりを示唆していると言えるだろう。

今後、日銀による利上げが行われた影響によって住宅ローンの金利も変化が現れることが想定される。しかし、今回上位にランクインしたディベロッパーの物件のように、立地やブランド力、物件の品質など、多角的な視点から評価される物件に投資することで、今後も安定した資産価値をできる可能性は高いと言えるだろう。

 調査概要

 調査主体:分譲マンション購入・売却検討者31万人を有する分譲マンションのセカンド

 オピニオンサイト「住まいサーフィン」(https://www.sumai-surfin.com/

 調査名称:「売主別 中古マンション値上がり率(騰落率)ランキング2023(関東版)」

 調査対象:2008年から2022年に竣工した関東圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城)の

 新築分譲マンションで、関東圏で20棟以上のサンプルがあるディベロッパー。

 算出方法:各住戸の新築分譲時の価格と、2023年1月から2023年12月までの1年間に中古

 マンションとして売り出された価格の騰落率を算出。2024年1月時点の経過年数で除算す

 ることで年間当たりの値上がり率を算出。

 計算式:中古値上がり率=中古売出価格/新築時価格/経過年数