高年収を実現できる3つの理由

1つが高い営業利益率です。京セラや村田製作所などの同業他社と比較して高い営業利益率を上げています。通常、メーカーは自社で工場を保有し製品を製造しますが、キーエンスは工場を持たないビジネスモデルです。製品の研究開発に注力し、製造は外注することで工場にかかる人件費などの固定費を抑え、さらに製品は卸売業者を通さず顧客へ直販し、中間マージンをかけないことが高利益率の要因になっています。

【営業利益率の比較(2023年3月期)】

           売上高     営業利益     営業利益率  
キーエンス 9,224億円 4,989億円 54.1%
京セラ 2兆253億円 1,285億円 6.3%
村田製作所 1兆6,867億円 2,978億円 17.7%

出所:各社決算短信

2点目が業績に紐づいた給与体系です。年収のうち一定の割合が業績(営業利益額)に連動しています。そのため社員一人ひとりが経営に参画しているという意識をもって仕事に取り組んでいる点が特徴です。

3点目が時間に対する考え方。1人が1時間あたりにどれだけの付加価値を生み出したかという値(時間チャージ)を算出して時間も大事な経営資源であることを意識しています。プロジェクトを進める際にはこの値を含めた費用対効果を見える化し、より付加価値の高い仕事に費用と時間をかけるように取り組んでいます。