4期ぶり最終減益 住宅ローン金利の上昇が重荷
住友林業の足元の業績を確認してみましょう。
2023年12月期は前期と比べ売り上げが増加しました。増収は円安も手伝っています。一方、純利益は前期を下回りました。最終減益は2020年3月期以来4期ぶりです。セグメント業績を確認すると、特に海外事業で減益幅が大きかったことがわかります。
【セグメント経常利益の推移(2022年12月期~2023年12月期)】
2022年12月期 | 2023年12月期 | |
木材建材 | 149億円 | 112億円 |
住宅 | 154億円 | 328億円 |
海外住宅・建築・不動産 | 1618億円 | 1125億円 |
資源環境 | 14億円 | 6億円 |
その他 | 19億円 | 22億円 |
出所:住友林業 決算説明会資料
減益の原因はアメリカの戸建住宅事業の苦戦です。2023年度は第1四半期を除き、戸建住宅の販売単価が前期を下回って推移しました。通期では2022年度が50.8万ドルだったところ、2023年度は48.1万ドルにとどまっています。
【米国戸建住宅 販売単価の推移(2022年12月期~2023年12月期)】
販売単価の低下の背景には住宅ローン金利の上昇があります。アメリカでは2022年から利上げが行われ、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。全米抵当貸付銀行協会(MBA)によると、30年住宅ローン金利は2023年10月に7.9%に達しました。
住宅ローン金利が上昇したため住宅需要が後退し、販売が伸び悩む原因となったようです。