住友林業の株価が順調です。2023年から過去の高値を上抜いて上昇しており、2024年1月も上場来高値を更新しました。売り上げは拡大が続いており、2024年12月期は初めて2兆円に達する見込みです。
【住友林業の業績】
売上高 | 純利益 | |
2022年12月期 | 1兆6697億円 | 1087億円 |
2023年12月期 | 1兆7332億円 | 1025億円 |
2024年12月期(予想) | 2兆0650億円 | 1050億円 |
※2024年12月期(予想)は2023年12月期時点における同社の予想
出所:住友林業 決算短信
住友林業は収益性の高さから「JPXプライム150指数」に選ばれています。しかし2023年12月期は4期ぶりの最終減益となりました。
住友林業はなぜ利益を減らすこととなったのでしょうか。決算から原因を探ってみましょう。また今期の見通しについても紹介します。
木造住宅の大手 広大な山林を保有する異色企業
住友林業は住宅メーカーの大手です。住友家の林業部門を源流に持ち、財閥解体で設立されました。もともと木材を扱う商社でしたが、1975年に注文住宅事業に進出し現在の形となっています。また持分法適用会社としてゼネコンの熊谷組をグループに持ちます。
住友林業は国内では木造のハウスメーカーとして知られています。しかし実は海外事業が売り上げの過半を占めています。2003年にアメリカへ進出し、M&Aで基盤を拡大しました。現在は集合住宅や宅地の開発も手掛けています。
【セグメント売上高(2023年12月期)】
住友林業は日本有数の森林オーナーでもあります。
住友林業は広大な山林を持つことで有名で、国内におよそ4.8万ヘクタールを所有しています。日本の森林面積はおよそ2500万ヘクタールですから、その500分の1を住友林業1社で所有していることになります。
住友林業は海外でも森林の取得を進めています。保有または森林は2021年で27.9万ヘクタールにも及んでおり、2030年までに50万ヘクタールへ拡大する目標を掲げています(出所:住友林業 WOOD CYCLE)。