第二の収益源は「水」?水道の老朽化が追い風
クボタの業績は主に農業機械や建設機械といった機械製品によって支えられています。その機械に次ぐクボタ第二の収益源が水ビジネスです。実は水ビジネスはクボタの祖業であり、創業時は水道用の鋳鉄管を製造していました。
クボタには3つの事業セグメントがあり、うち水・環境セグメントには水道管や浄化槽、水処理プラントなどで構成されています。また建築に用いられる鋼管杭や石油化学製品の製造に用いられる反応管など、水関連以外の製品も含まれます。
【セグメント別の業績(2022年12月期)】
売上高 | セグメント利益 | |
機械 | 2兆3280億円 | 2371億円 |
水・環境 | 3276億円 | 173億円 |
その他 | 232億円 | 31億円 |
出所:クボタ 決算短信
水道管の需要は増加が見込まれています。2019年10月に水道法が改正され、水道施設の適切な管理が義務付けられることとなりました(出所:厚生労働省 水道法の改正について)。
国内の水道インフラは老朽化が進んでいます。法定耐用年数を超えた水道管は2020年に15万キロメートルに達し、総延長に対する割合(管路経年化率)は20%を突破しました。
【管路経年化率の推移】
水道事業は従来、主に自治体が運営してきました。近年は民間企業に委託する官民連携の動きが進んでいます。クボタは設計から施工まで請け負うDB方式(デザインビルド方式)に強みがあり、全国で受注を獲得しています(参考:クボタ 管路の設計・施工一括発注(DB)方式 実績のご紹介、次世代に安心で安全な水を届ける)。水道の老朽化と法改正から、クボタの水事業は当面は追い風が吹きそうです。