NTTから海外事業を承継 集約で成長目指す
NTTデータグループは変革の時期を迎えています。2022年10月にNTTの完全子会社であるNTT リミテッド(NTT Ltd)を取得したのです。NTTグループ全体から見ると、孫会社だったNTTデータグループを子会社に引き上げ、その下にNTTリミテッドをぶら下げた格好です。
NTTリミテッドはNTTの海外事業を集約させ2019年に設立された企業です。データセンターやクラウドサービスといったITサービスを世界190ヵ国で展開しています。事業規模は大きく、売上高は2020年度で1兆0590億円に上ります(出所:NTTデータグループ NTT Ltd.事業統合のリリース(2022年5月))。
NTTリミテッドをNTTデータグループへ移管した背景には競争環境の変化があります。ITに対するニーズは高度化し、より多様なサービスが求められるようになりました。競合もサービスラインを拡大しています。
これに対応するためNTTデータグループとNTTリミテッドは統合されました。双方に分かれていたビジネス向けグローバル事業を集約し、シナジー効果で競争力を高める狙いがあります。
統合を受けNTTデータグループは海外売上高が日本を超えました。海外は費用が先行することから、当面の利益は国内がけん引しそうです。
【セグメント業績(2024年3月期第2四半期)】
売上高 | 営業利益 | |
国内 | 8228億円 | 800億円 |
(内)公共 | 3049億円 | 308億円 |
(内)金融 | 3306億円 | 350億円 |
(内)法人 | 2634億円 | 280億円 |
海外 | 1兆2729億円 | 342億円 |
(内)北米 | 2874億円 | ― |
(内)EMEA・中南米 | 3885億円 | ― |
(内)NTT Ltd. | 5975億円 | ― |
合計 | 2兆0785億円 | 1219億円 |
※海外の補足:EBITAは海外で579億円、うち北米178億円、うちEMEA・中南米151億円、うちNTT Ltd.256億円(EBITA=営業利益+買収に伴うPPA無形固定資産の償却費等)