怒涛の買収劇 M&Aで海外進出強める

エムスリーのサービスは海外でもヒットしているようです。医師向けサイトの運営や調査事業、また治験事業や人材事業などが浸透し、売上高はいずれも直近3年間で数倍に増加しました。

【海外の事業別売上高の推移】

出所:エムスリー 会社説明資料より著者作成

海外事業の成長に伴い、エムスリーはグローバル企業へと脱皮しつつあります。2005年度は国内事業が売上高のほとんどを占めていました。直近では7割程度まで低下し、海外事業が成長しています。2027年度には売上高6000億円を目指していますが、海外売上高を3~4割まで引き上げることを目標としています。

【エムスリーの売上高構成比】

   2005年度   2022年度  2027年度
 (目標値) 
 海外事業 3% 27% 30~40%
 国内事業 97% 73% 60~70%
(内、製薬マーケティング支援事業)  (91%) (23%) (10~20%)
(内、その他の事業) (6%) (50%) (50%)
(参考)連結売上高 39億円 2308億円 6000億円


出所:エムスリー 会社説明資料および決算短信

海外事業の成長を支えるもう一つのドライバーがM&Aです。エムスリーは毎年10件程度のM&Aを実施してきました。2023年度も第1四半期に3件の海外M&Aを実施しており、8月には医師リクルーティングサービスを展開するMessly(英)を、9月には診療ソフトのCalimaps(仏)を買収しています。

【エムスリーのM&A件数】

   国内   海外   合計 
 2018年度 5 2 7
 2019年度 5 6 11
 2020年度 8 4 12
 2021年度 5 6 11
 2022年度 5 6 11
 2023年度第1四半期   1 3 4
 合計 29 27 56


出所:エムスリー 会社説明資料