外国株式・国内株式ファンドが堅調に推移

 

投資信託の純資金流入は、海外株式型、内外株式型、国内株式型等で継続し、3ヵ月連続で流入超となった。国内公募株式投資信託(ETF除く)の純資産総額は前月比1兆4045億円増加し、過去最高額の101兆5889億円となった。また、高水準の資金流入に加え、米長期金利が上昇したことで日米金利差が拡大し、円安が進んだことから外国株式ファンドで評価額が上昇した。そして、資金流入額トップはインベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)の約803億円だった。

「世界のベスト」シリーズは、世界の株式から「成長+配当+割安」にこだわって厳選投資する世界株式ファンドである。20年超の実績を持ち、投資家の多様なニーズに応えるため、毎月または年1回決算の<為替ヘッジあり/なし>の4つのファンドを提供している。特に、世界のベストシリーズの「世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は、2023年8月末現在の純資産残高は8146.14億円で、日本の追加型公募投資信託の中で第10位となっている。8月末時点における1年騰落率は+31.23%と、パフォーマンスも好調だ。高水準の資金流入が続いているので、9月以降も純資産残高を増やす可能性は高いだろう。

■インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)
基準価額 9267円
信託報酬 1.903%(年率・税込)
純資産残高  8146.14億円

<騰落率>
1カ月  1.70%
3カ月 11.69%
6カ月 17.39%
1年     31.23%
※8月末時点

S&P500種株価指数を対象にしたインデックスファンドが人気

 

国内公募の追加型株式投資信託では、指数連動型の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が、純資産総額ランキングにおいて7カ月連続で首位を維持している。8月末時点の残高は約2兆5938億円で、前月比の増加額は投信全体で最も大きかった。8月のS&P500種株価指数は、年初からの上昇局面に対する利益確定の売りが出た影響で、2月以来のマイナスで終了した。市場では、インフレ再燃を防ぐためにFRBが金利をより高く、より長く維持するとの見方が広がっている。

ただ、外国為替市場で円安・ドル高が進んだため、同ファンドの8月の騰落率は+2.3%となり、1年騰落率も+21.1%となっている。円換算ベースのS&P500種株価指数を対象にしているので、円安がプラスリターンに寄与しているのだ。2024年からは新しいNISAも始まり、同ファンドへの関心はますます高まる可能性が高い。純資産残高は2兆5000億円を超えており、今後も純資産残高を増やしていく可能性は高いだろう。

■eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
基準価額 2万3519円
信託報酬 0.09372%(年率・税込)
純資産残高 2兆5938.60億円

<騰落率>
1カ月  2.3%
3カ月 12.7%
6カ月 22.4%
1年    21.1%

※8月末時点