ナスダックの2倍動く投資信託
レバナスとは、「ナスダック100指数」の数倍の値動きが生じるよう設計された投資信託の通称です。数倍の値動きになるような仕組みを「レバレッジ」と呼び、「ナスダック」と合わせてレバナスと呼ばれるようになりました。
ナスダック100指数とは、アメリカのナスダック市場に上場する大型株上位100銘柄で構成される株価指数です(金融株を除く)。アップルやマイクロソフトなど、アメリカを代表するハイテク企業が多くを占める株価指数となっています。
ナスダック100指数を参照するレバレッジ型の投資信託はいくつかあります。しかし単にレバナスと呼ぶ場合、ナスダック100指数の2倍程度の値動きが生じるよう設計された銘柄を指すことが多いようです。
つまり、ナスダック100指数が1%上昇すればレバナスは2%上昇し、反対にナスダック100指数が1%下落すればレバナスは2%下落することとなります。したがって、レバナスはナスダック100指数の上昇時に大きな利益が期待できる一方、下落時は損失が拡大します。
【主な「レバナス」型の投資信託】
運用会社 | 設定日 | |
iFreeレバレッジ NASDAQ100 | 大和アセットマネジメント | 2018年10月19日 |
楽天レバレッジNASDAQ-100 | 楽天投信投資顧問 | 2021年11月17日 |
au AMレバレッジ NASDAQ100 | auアセットマネジメント | 2022年7月28日 |
レバナスの成功例&失敗例
レバナスの理解を深めるため、近年の値動きを振り返ってみましょう。
2020年から2021年は、レバナスで大きく資産を増やすことができた時期です。新型コロナウイルス対策としてアメリカはゼロ金利導入を含む金融緩和に踏み切り、ナスダック100指数は強く上昇しました。レバナスはこの時期に人気化したとみられています。
【レバナス成功例:コロナ後の金融緩和期(2020年~2021年、2019年末=100)】
しかし2022年に入ると、アメリカは一転して金融引き締めに入ります。3月にゼロ金利を解除して利上げを開始すると、ナスダック100指数は下落傾向を強めました。この時期、レバナスではさらに大きな損失が生じたと考えられます。
【レバナス失敗例:コロナ緩和後の金融引き締め期(2022年、2021年末=100)】