自分で自分の生涯の支出を賄う

「この先、お金は足りるのか?」と不安になることがあるかもしれません。蓄えや、月々の年金収入があっても、何歳まで元気で、あるいはどんなふうに介護が必要になり、どのように死を迎えるのか、先が読めないためです。その結果、必要以上に財布のひもが固くなることがあります。

浪費はしたくありませんが、自分の持ち金の範囲なら、「我慢」や「節約」ばかりではなく、楽しむことも大切なのではないでしょうか。そのために考えなければいけないのは、「現在の預貯金残高と今後の収入で、生涯の支出を賄えるか」ということに尽きます。

一覧にして現状を把握する

まず、月々の収入と支出を書き出し、さらに資産と負債の状況を一覧にしてみましょう。

ちなみに、総務省の家計調査(2021年)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯についてみると、平均で、実収入は23万6,576円、可処分所得(税金や社会保険料等を除いた手取り)は20万5,911円で、消費支出は22万4,436円。65歳以上の単身無職世帯の実収入の平均は13万5,345円、可処分所得は12万3,074円。消費支出は13万2,476円で、いずれも月々赤字になっています。

あなたの家計は、黒字なのか、赤字なのか、どちらでしょう。赤字なら、家計を工夫するか、蓄えから取り崩すかを考えなければなりません。