このところ新聞やテレビなどのニュースを賑わせていたトルコの大統領選挙は、5月14日に行われた投票結果が僅差で決着がつかず、同月28日に行われた決選投票の結果、現職エルドアン大統領に軍配が上がりました。
トルコと日本の意外な関係
実はトルコという国は、昔から親日国家ということで知られています。
そのあたりの経緯を調べてみると、1890年にトルコの使節団を乗せた「エルトゥールル号」という軍艦が台風に遭い、日本近海で沈没するという事故で、日本人の必死の救助活動によって69名の乗組員が救助されたことや、日露戦争で日本がロシアに勝利したことに、当時、ロシアから圧力を受けていたトルコが感銘を受けたことに端を発しているようです。
そして現在も東日本大震災や、トルコ・シリア地震など深刻な自然災害が起こった時、お互いに支援・救済チームを派遣し合ったりもしています。
とはいえ、私たちが普段の日常生活を送るなかで、トルコという国を意識することはほとんどないと思われます。地理的な距離が遠いこともその一因でしょう。
トルコと日本との間でどういう貿易取引が行われ、政治的にどのようなつながりがあるのかなど、トルコについて詳しい話ができる人は、こと一個人のレベルではかなり少数になります。
しかし、実は「投資」という観点で考えた時、日本の個人投資家はトルコと案外、深い関係を持っています。ブラジル・レアル、南アフリカ・ランド、といった新興国通貨のなかで、トルコ・リラは高金利であることから、日本人の間で比較的高い人気を持っているのです。