アメリカにまるごと投資するインデックス型投信

2023年5月、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(愛称:楽天・VTI。以下同)の純資産総額が9000億円を突破しました。ほぼ全てのアメリカ株式に投資する銘柄で、運用資産は設定から右肩上がりに増加しています。

【楽天・全米株式インデックス・ファンド】 

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーより著者作成

楽天・VTIにはどのような魅力があるのでしょうか。

つみたてNISAで「VTI」に投資できる貴重なファンド

楽天・VTIの魅力として、つみたてNISAで「VTI」に投資できることが挙げられるでしょう。

VTIとは米バンガード社が運用するETF「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(愛称:VTI)のことです。アメリカ株式のほぼ全てに投資するETFで、経費率が年0.03%と非常に低いことから投資家に人気があり、純資産総額は2023年4月末時点で1.3兆ドル(約182兆円)にも上っています。

VTIは多くの証券会社で取り扱いがあり、直接購入することもできますが、つみたてNISAでは投資することができません(2023年5月29日時点)。つみたてNISAでVTIへ投資するには、VTIで運用されるつみたてNISA対象ファンドを購入する必要があります。

つみたてNISA対象商品のうち、VTIで運用される銘柄は2本しかなく、楽天・VTIはその貴重な1本です(2023年5月29日時点)。またもう1つのVTIファンドが設定されたのは2021年6月と遅く、それまでは実質的に唯一の選択肢でした。つみたてNISAでVTIに投資できる点は、楽天・VTIの大きな強みといえるでしょう。

成長するアメリカ経済に投資できる

アメリカ経済の恩恵に期待できる点も、楽天・VTIの強みです。

アメリカは世界最大のGDPを誇る経済大国で、今後も増加する人口を背景に堅調な発展が見込まれています。ほぼ全てのアメリカ株式に投資する楽天・VTIはその恩恵を受けやすく、アメリカ経済の成長に合わせて値上がりに期待しやすいでしょう。

【アメリカの名目GDPと人口の推移】

出所:IMF 世界経済見通しデータベース(2023年4月)より著者作成

実績も申し分ありません。設定来リターンは2023年4月末時点で100%を超えており、設定日に購入した人は投資額が倍になっている計算です。各年のリターンも、概ねプラス方向に偏って出現していることがわかります。過去のリターンは将来の値動きを保証しませんが、好成績を残したファンドはやはり投資家の期待が集まりやすく、楽天・VTIに資金が集まる理由の1つと考えられます。

【楽天・全米株式インデックス・ファンドのトータルリターン】 

出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリーより著者作成