高校卒業までの教育費はいくらかかる?

先述したような支援策を利用すれば、子育てにかかる経済的な負担をある程度軽減させることができるでしょう。しかし教育費は子どもが小さいときだけでなく、長期的にかかってくるものです。どれくらいの教育費を用意すればよいのか、不安になる人は少なくないでしょう。

文部科学省の「子供の学習費調査(令和3年度)」によれば、高校卒業までの学習費(給食費、学校外活動費を含む)は、全て公立の場合は約574万円、全て私立の場合は約1838万円となりました。私立は、平均して公立のおよそ3倍の教育費がかかっているようです。

教育費の不足を防ぐには、各学年で見込まれる支出を知っておかなければいけません。学年別の学習費は、私立小学校の1学年で最も高く、およそ214万円となりました。私立小学校は、その後も比較的大きな費用が毎年発生している様子がうかがえます。

【各学年の学習費総額の平均(2021年度)】

文部科学省「子供の学習費調査(令和3年度)」より 著者作成

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このことから、私立小学校へ入学させる場合、6歳までに教育費をしっかり準備しておかなければ資金繰りは厳しくなることが予想されます。子どもが生まれたら、早いうちから家計を見直し、計画を立てておくことが望ましいといえそうです。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。