ソロスが認めた「スパークス」の看板商品

「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」(愛称:厳選投資)は、独立系の運用会社「スパークス・グループ」の看板商品です。同ファンドは2015年ごろから純資産総額が増加し始め、2023年3月には初めて1500億円を突破しました。

【スパークス・新・国際優良日本株ファンド】

出所:投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」より著者作成

スパークス・グループは、著名な投資家であるジョージ・ソロス氏に認められ、1億ドルの日本株式運用を任された阿部修平(あべ・しゅうへい)氏が興した企業です。日本株式の運用などで多くの実績を残し、2001年には運用会社として初めて上場を果たしました。

スパークス・新・国際優良日本株ファンドも、日本株式で運用される投資信託です。同ファンドが資金を集める理由を探りましょう。

TOPIXを大きく上回るリターンが強み

スパークス・新・国際優良日本株ファンドの魅力は、良好な運用実績にあるでしょう。同ファンドは、2023年2月までに370%を超えるリターンを稼ぎました。これは同時期のTOPIX(配当込み)を大きく上回っています。

【TOPIX(配当込み)との比較(2008年3月=100)】

出所:交付運用報告書(第14期)より著者作成

累積だけでなく期間収益も優秀で、設定から2022年3月までの第14期まで、パフォーマンスがTOPIX(配当込み)を下回ったことは3回しかありません。

【スパークス・新・国際優良日本株ファンド-TOPIX(配当込み)】

出所:交付運用報告書(第14期)より著者作成

平均と異なるリターン特性も魅力

市場平均と異なるリターン特性が期待できる点も、スパークス・新・国際優良日本株ファンドが支持される理由だと考えられます。

一般的なアクティブファンドは、ベンチマークを意識して多くの銘柄に分散投資するあまり、平均的なリターンにとどまることが少なくありません。

一方スパークス・新・国際優良日本株ファンドは、ベンチマークを設けず、「新・国際優良企業」として確信できる銘柄にのみ投資します。投資対象は年間3000回以上の徹底した企業調査を通じ、わずか20銘柄程度まで厳選されます。組み入れ銘柄数の少なさから、市場平均と乖離した値動きが生じやすいでしょう。

【「新・国際優良企業」の条件】
・国内市場で圧倒的なシェアを持つ
・海外売上高比率の拡大が期待できる
・世界的なブランド力を有することが期待できる

【組入上位5銘柄(2023年2月末時点)】

銘柄   比率  
日立製作所 9.1%
ソニーグループ 9.1%
三菱商事 8.9%
ロート製薬 5.6%
セブン&アイ・ホールディングス    5.2%