代表的な内外バランス型ファンド

「セゾン・グローバルバランスファンド」は、独立系の運用会社「セゾン投信」が運用するバランス型の投資信託です。純資産総額は順調に積み上がり、2022年9月には初めて3400億円を突破しました。これは国内外に投資するバランス型ではトップクラスの水準です。

【セゾン・グローバルバランスファンド】

出所:セゾン投信より著者作成

今回はセゾン・グローバルバランスファンドの魅力を探ってみましょう。

リスクを抑えつつ株式並みのリターンを実現

セゾン・グローバルバランスファンドが人気な理由は、運用効率の高さにあると考えられます。

近年は株式優位の展開が続きましたが、セゾン・グローバルバランスファンドのパフォーマンスは主要な株価指数と比べても遜色がありません。2018年から2022年の1年平均騰落率は、日本株式や新興国株式と同水準となりました。さらにリターンの分布も狭まっていることから、株式だけの運用より低いリスクで実現できたことがわかります。

【1年平均騰落率(2018年1月末~2022年12月末)】
 

出所:セゾン投信「交付目論見書(2023年3月)」より著者作成

セゾン・グローバルバランスファンドは、原則として世界中の株式と債券に1:1の割合で投資します。債券は一般に株式よりリスクが小さいため、株価指数よりも小さな値動きで運用できたのでしょう。また債券割合が高まることから期待リターンの低下は懸念されますが、上記の期間では株式並みのリターンを獲得できたようです。

世界の資産への分散投資を低コストで提供

比較的低いコストで運用できる点も、セゾン・グローバルバランスファンドの魅力の1つです。

セゾン・グローバルバランスファンドは、株式や債券といった資産で直接運用するのではなく、複数の投資信託で運用される「ファンド・オブ・ファンズ」です。

ファンド・オブ・ファンズは投資する投資信託の運用コストも別途かかることから、コストが高くなる傾向にあります。しかしセゾン・グローバルバランスファンドは、組み入れ対象を低コストで知られる「バンガード社」のインデックス型ファンドとすることで、全体の信託報酬を0.56%±0.02%程度(税込み)と低水準に抑えることができました。

またセゾン・グローバルバランスファンドは、販売手数料のかからない「ノーロード」の投資信託です。どの金融機関で購入する場合でも、販売手数料はかかりません。セゾン・グローバルバランスファンドは、運用中や購入時のコストが低い点が支持され、資金が集まっていると考えられます。

ただし、セゾン・グローバルバランスファンドは0.1%分の信託財産留保額(※)が設定されているため、解約時にコストが発生する点は注意してください。

※信託財産留保額:解約に伴って発生するコストを、解約者に負担させる仕組み。解約代金から差し引かれた信託財産留保額は、ファンドの運用資産に充てられる。