ウォーレン・バフェット氏をはじめとする投資のレジェンドたちの教えは、投資信託を中心とした“コツコツ長期資産形成派”にも、役立つヒントがたくさん。

約30年間、社内勉強会「バフェット・クラブ」にて、レジェンド投資家たちの投資哲学を講義してきたスパークス・グループ代表取締役社長 阿部修平氏が、一般の個人投資家向けにもわかりやすいように講義内容を再構成したのが話題の書籍『バフェット・クラブの金言 漫画でわかる「億万長者の投資戦略」』。

今回は同書より「はじめに」と第1部の一部を特別に公開します(前後編の前編)。

※本稿は阿部修平著『バフェット・クラブの金言 漫画でわかる「億万長者の投資戦略」』(日経BP)の一部を再編集したものです。

バフェットさんに会ったときに彼が言ったこと

幼い頃、コーラを売って小遣い稼ぎをした少年が大人になり、全資産の3分の1をコカ・コーラ株に集中投資し巨万の富を得る。20世紀を代表するアメリカンドリームの具現者で、今でも大好物のチェリーコークを1日に5本も飲むというウォーレン・バフェットさん。彼の成功物語は投資家の憧れです。

かく言う私もバフェットさんにお目にかかりたいと思っていましたが、2018年、親しい友人の紹介でそれが実現しました。場所はバフェットさんお気に入りのネブラスカ州オマハのレストランでした。

そのレストランの名物料理である「Tボーンステーキ」を食しながら、私は遠慮がちにこう話しました。
「体重が気になるので、私はチェリーコークではなく、ダイエットコークにさせてもらいます」
すると、バフェットさんはこう答えたのです。
「Thankyou! ダイエットコークのほうが10%以上、粗利が高いんだよ」

健康志向によるゼロカロリー飲料市場激化の中で、コカ・コーラ離れの流れを打破し、収益向上を目指す要がダイエットコークです。それを目の前で美味しそうに飲んで見せる私は、コカ・コーラの大株主であるバフェットさんの目からみれば、良きコンシューマー代表と映ったのでしょう。