債券、投資信託は、紙くずにはならない

投資の心配で「大事なお金が紙くずになったらどうしよう」というものがあります。借金を抱えたらと心配をする人もいます。そんなあなたは映画やドラマの見すぎです。

まず「借金をして投資をしない」のは原則です。そのうえで「投資したお金が紙くずになる」はあるのかというと、投資のやり方によります。債券、投資信託などは紙くずになることはまずありません。株式もどんなに値下がりしたとしても半値くらいで売り抜けることができることがほとんどです。

ですがもし、あなたのお金がゼロになるとしたら、それは「投資」ではなく「投機」、つまりギャンブル的なやり方を使ってお金を増やそうとしているからです。

4マスの軸の一つは、「投資/投機」です。両者は、「お金を増やす」という目的は同じかもしれませんが、取っているリスクの大きさとアプローチが違います。

投機は基本的にはゼロサムゲームなので、誰かの利益と誰かの損失が「足してゼロ」になります。手数料を考えれば実質マイナスかもしれません。FX(外国為替証拠金取引)やビットコインの売買がこれにあたります。またドルの売買そのものは新しい価値を生み出しているわけではありません。

投資は、株や債券を通じて、社会の成長に関わります。国が債券を通じて集めた資金で社会資本を整えたり、企業が株式発行を通じて集めた資金で新商品を開発・販売することは、世の中を豊かにする一助としてお金が動くということです。その結果として企業が成長し、あなたは配当や利払いを受けたり、株価値上がり後の売却益を手に入れることができます。

これはプラスサムといいます。投資を通じてお金が動くと、全体がプラスにふくれ上がっていくわけです。ゼロサムとプラスサムの違い、一見すると同じように見えますが、むしろ本質的に異なるといってもいいでしょう。