投資信託をはじめ金融商品の販売関連業務に携わる読者を持つ金融リテール専門誌『Ma-Do』が実施した「運用会社ブランドインテグレーション評価2022」で、販売会社は運用会社に「信頼」に対するブランド価値を求めていることが分かった。2022年の回答では、「世間における知名度がある」という項目について、本部が前年54.5%に対し今年33.6%に、支店では前年62.6%が今年40.7%と大きく評価ポイントを落とした。特に支店では、前年調査で「知名度」はトップの項目だったものの今年は2位に沈んだ格好だ。代わりに評価ポイントを上げたのは「信頼ができる」で、本部では前年67.3%が今年85.3%に、支店は前年54.9%が今年75.4%になっている。

 

「運用会社ブランドインテグレーション評価」は、投信販売会社が運用会社を評価する調査で、運用会社について「運用力」「商品開発力・企画力」「営業担当者・研修担当者の質」「サポート力」「ブランド力」「ガバナンス」の6つの軸で評価してもらい、得点順にランキングした。2022年調査は9月~10月にWEBで実施し、国内外の運用会社36社を評価の対象とし、310件の回答を得た。

米国系の運用商品が販売の主力に

販売会社にとって商品の持つブランド力は、形のない投資信託という商品を説明する上で一番難しい「信頼」の裏付けとして重要な意味がある。国内の多くの運用会社は、「三井住友」や「三菱UFJ」、あるいは、「野村」や「大和」といった国内の大手金融グループのブランドを持っている。それぞれの金融機関が国内で数十年、あるいは100年におよぶような長期を通じて培ってきた信頼のブランドだ。これが外資系運用会社になると、「ゴールドマン・サックス」や「HSBC」など国内系と同様に金融グループのブランドを掲げる運用会社に加えて、「フィデリティ」や「アライアンス・バーンスタイン」など運用会社を起点として大きく成長したブランドがある。国内系に比べると海外の運用会社は、「名前を聞いたことがある」という知名度では劣るのかもしれない。特に、資産運用をしたことがなかった初心者にとっては、海外ブランドは縁遠い存在といえる。