いくらになる?をあらかじめ見積もっておく
使用目的は老後資産というより余裕資金

50代からのスタートでは積立期間が短いため、それほど大きな資産にはなりません。

最大で年間81万6千円拠出できる自営業者等を除けば、数百万円程度です。仮に、会社員が50歳からiDeCoを始め、月1.2万円を10年間積み上げると、拠出金の合計は144万円です。「老後資産」としては物足りない金額ですが、たとえばレジャー費としてとらえ、夫婦で年1回、国内旅行のために使うと想定すれば、10年分ぐらいにはなるのではないでしょうか。

しかも、50代の拠出時点では、大きな節税効果を狙えます。掛金の全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税の軽減効果は非常に大きいものがあります。

仮に所得税と住民税を合わせた税率を15%とすると、50歳から60歳までの10年間、月1.2万円(※)を積み上げるだけで、21.6万円(1.2万円×12ヵ月×10年×税率15%)の節税になります。

50代は一般的に年収が高くなり、税率も15%(所得税5%、住民税10%)より高い場合が多いと考えられます。そのため、例えば55歳からDCをスタートする場合であっても、税率が30%(所得税20%、住民税10%)であれば50歳からの10年間と同じ節税効果があります。

つまり50代からのiDeCo活用の目的は、老後資産形成ではなく、「節税」に軸足を置いた余裕資金の確保、といえるでしょう。

※2024年12月の制度改正により、iDeCoの拠出上限が月額2万円(現状月額1.2万円の会社員等)まで増える人も想定されます。