限定追加型ファンドのメリット

足元で増加している限定追加型ファンドには債券型が多く、株式ファンドのような高いリターンは望めないものの、安定的なリターンが期待できるというメリットがある。

日本の預金金利は極めて低く、少しでも高い利回りで運用したいと考える人もいるだろう。ただ、株式に投資する投資信託は高いリターンが期待できる反面、価格下落のリスクが高い。2022年初頭からの軟調な株式市場を見ると、株式ファンドに大切な資金を預けることに不安を感じる人も多いのではないだろうか。

限定追加型ファンドには、日本の預金金利より高い利回りが期待できる債券に投資するタイプが多いため、コスト込みで満期時に1%以上の利回りが期待できる。低リスクで安定的な利回りを求める投資家にとって魅力的だ。

限定追加型ファンドが注目されている理由

2022年に販売されている限定追加型ファンドの投資対象は主に社債で、投資期間中に満期を迎え、償還まで保有し続ける。このような限定追加型ファンドが注目されている理由は、主に以下の3つ。

1. 運用開始時に投資利回りがほぼ決まる
2.大きな変動を避けた安定的な運用が期待できる
3.期間を定めた運用が可能

信託期間が終了するまでに債券が償還されるので、価格変動リスクを抑えることができる。また、満期まで継続保有すれば運用開始時点で投資利回りがほぼ確定するというメリットもあるのだ。よって、安定的にクーポン(利息)収入を満期まで積み上げることが可能になる。

ただ、利回りを追求する商品の特性上、デフォルト時の返済順位が低い劣後債や低格付け債を組み込んでいる場合がある。よって、債券の発行企業が破綻した場合、元本毀損のリスクがあるので注意が必要だ。

それでも、インフレ下でお金の実質価値が目減りしており、個人が預金に代わる投資先を探す中、安定した利息収入が得られる債券型の限定追加型ファンドへの関心が高まっているわけだ。