国が推奨する「貯蓄から資産形成へ」の流れ
岸田総理大臣が掲げる「新しい資本主義」が注目され、あらためて資産形成への関心が高まっているように感じます。老後への備えもラストスパートとなるオイカツ世代もこの波に乗っていきたいもの。前回のiDeCo※に続き、今回は「つみたてNISA」について解説します。
※第9回『50代、老後の備えのラストスパートは「まずiDeCoから」と言える“これだけの理由”』ご参照
NISAとは、少額投資非課税制度のことです。投資はまとまったお金がないとできないと思い込んでいる人も多い中「少額でも大丈夫だから始めてみよう」、投資で得た利益には20.315%課税されますが「それも免除するからお得だよ」というメッセージを込めて導入された制度です。
少額投資非課税制度のどこがどうなってニーサとなったんだと疑問に思う方もいるかもしれませんが、この仕組みはイギリスから取り入れたものです。イギリスでは個人の資産形成を応援する国の制度として、ISA(アイサ)という制度があり、それにより国民の資産形成が進んだという事実を受け、日本に輸入してきたのです。ISAに日本のNをつけて、NISAというわけです。
NISAが日本に導入されたのは2014年です。それ以後、ジュニアNISA、つみたてNISAが追加され、それぞれがさらに進化してきました。特につみたてNISAは、「これから投資を始めたい」という方向けに作られた制度と言えます。例えるならば、補助輪付きの自転車にヘルメットをつけて、大けがをしないようにと対策をとったうえで自転車に乗るようなものです。