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2001年9月10日、国内初のREIT(リート)として「日本ビルファンド投資法人」と「ジャパンリアルエステイト投資法人」が上場しました。当初は2銘柄だけでしたが、2022年7月末時点では61のREITが上場し、時価総額は16兆7500億円を超えています。選択肢が増えたことで、投資を検討している人も多いかもしれません。
出所:不動産証券化協会 統計データ
とはいえ、株式と比べるとREITの規模は小さく、まだREITのことを知らないという人も多いでしょう。REITとはどのような商品なのでしょうか。
REIT(不動産投資信託)とは?
REITは「Real Estate Investment Trust」の略で、不動産投資信託といいます。銀行などで販売されている一般的な「契約型」の投資信託と異なり、投資を目的とする法人を立ち上げて運用する「会社型」の投資信託です。そのため、銘柄の多くに「投資法人」という名前が付きます。
もっとも、運用の仕組みは一般的な投資信託と大きく変わりません。投資家から資金を集め投資し、その収益を投資家に還元します。
一般的な投資信託は株式や債券などさまざまな商品に投資しますが、REITの投資対象は実物の不動産です。オフィスビルやマンションのほか、物流施設や商業施設といった物件に投資し、その家賃収入などを投資家に分配します。
【(参考)日本ビルファンド投資法人のポートフォリオの一部】
・東京都新宿区「新宿三井ビルディング」(鑑定評価額:1770億円)
・東京都千代田区「飯田橋グラン・ブルーム」(同1250億円)
・東京都品川区「NBF大崎ビル」(同85.9億円)
※2022年6月末時点
出所:日本ビルファンド投資法人 ポートフォリオ
REITは取引所に上場しているため、株式のように自由な売買が可能です。しかし利益の源泉が異なることから、REITには株式と異なる値動きが期待されます。株式だけでなくREITを投資先に持つことで、分散投資効果に期待できるでしょう。
【東証REIT指数とTOPIXの推移(2018年8月~2022年8月)】
なお、REITは株式よりリスクが低いといわれることもありますが、過去の値動きを振り返ると、必ずしもそうとはいえません。REIT全体の値動きを表す「東証REIT指数」は、コロナショック下の2020年3月に20%以上も下落しました。決してリスクが小さいわけではないため注意してください。
【東証REIT指数とTOPIXの月次リターン(2018年8月~2022年8月)】