人口が増える国と人口ボーナス期

日本の人口見通しは厳しいものですが、世界人口は2100年まで増加が予想されています。国際連合が公表した「世界人口推計2019年版」によると、2019年でおよそ77億人の世界人口は、2030年には85億人、2050年には97億人、2100年には109億人になるとの予想が示されました。

人口の増加は新興国で発生するイメージがあるかもしれませんが、そうとも限りません。アメリカやイギリスのように、長期的に人口の増加が見込まれている先進国もあります。

【主な国の2100年まで人口予測】

※「増加」は2019年比で2100年の人口が+15%以上、「横ばい」は±15%、「減少」は-15%以下

出所:国際連合 経済社会局 世界人口推計2019年版

とはいえ、やはり世界人口の増加は新興国を中心に起こるとみられます。特にサハラ以南のアフリカ諸国やアジア、ラテンアメリカ、カリブ地域の一部の国では生産年齢(25~64歳)人口の増加が顕著で、「人口ボーナス」と呼ばれる著しい経済成長が期待できる旨が示されました。

世界人口推計では人口ボーナスが期待される期間について、サハラ以南のアフリカ諸国とオセアニア地域(オーストラリアとニュージーランドを除く)の多くの国では2100年まで、ラテンアメリカやカリブ海諸国においては2047年まで続くとしています。これらの地域への投資には長期的に期待できるかもしれません。

上記のような地域は投資において一般に「フロンティア市場」と呼ばれます。フロンティア市場は閉鎖的であることも多く、直接投資は簡単ではありません。フロンティア市場への投資は、それらの地域の資産で運用される投資信託を介した方法が選択肢となるでしょう。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。