年代別で異なる情報取得の方法。情報の精度を高める工夫

ただし保有資産が5000万円以上になると、やや他とは様子が異なります。まず30%以上が22.8%、15%~30%未満が22.2%、5%~15%未満が22.8%となっており、他の保有資産の層に比べて高いリターンの実現を認識している傾向が見られます。ちなみに、世帯収入で見ても、2000万円以上という高所得世帯の場合、他の世帯収入の層に比べて、相対的に高めのリターンを認識していることが分かります。

次に、金融商品購入時に参考にしている情報・メディアについてですが、最も回答が多かったのは「ポータルサイト」で、以下、「新聞」、「テレビ」、「販売会社HP」、「雑誌」、「運用会社HP」、「SNS」という順番になります。それ以下の回答もあるのですが、少し意外だったのはファイナンシャルプランナーの「FP」が下から2番目の低さだったことです。最近、資産運用のセカンドオピニオンとして中立な立場でアドバイスができるFPの意見を重視する傾向があるのかと思ったのですが、案外、FPの意見を参考にしていない人が多いようです。

とはいえ、ポータルサイトや新聞、テレビなど上位にあるものでも、たとえば新聞ならどの情報を参考にしているのかという点までは踏み込まれていないので、あくまでも参考までに見ておくという程度で十分ではないでしょうか。

ただ、ひとつだけ留意しておきたいのは、金融商品購入時に参考にしている情報・メディアのうちSNSに関する部分ですが、年代別だと20代および30代は30%前後がSNSを参考にしているのに対し、40代は20%弱、50代と60代は10%弱しかSNSの情報を参考にしていないということです。

また、個人が情報発信をしているSNSと、金融機関等が情報発信をしているSNSとを比べた時、ツイッターやブログ、YouTubeについては、圧倒的に個人が情報発信しているものが支持されています。近年、YouTubeでも爆発的な再生回数を誇る金融YouTuberが登場しており、この手のインフルエンサーと称される人たちが流す情報に注目している人が増えているように思われます。

ただ、インフルエンサーが流す情報は、そのインフルエンサーの主観が入った二次情報である点に留意しておく必要があります。もちろん、二次情報という点では新聞やテレビなどのマスメディア情報もそうですが、インフルエンサー個人がSNSを通じて流している情報は、チェック機能が働いていない恐れがあります。

SNSから情報を取りに行く時には、自分自身のポジションに都合の良い情報を流しているものだけでなく、反対のアゲインストな情報も合わせて取得することによって、中立的な判断を下せるようにするなどの工夫が必要です。また、インフルエンサーの情報だけでなく、たとえば株式投資なら企業の財務情報、マクロ経済の動向なら各省庁が公表している経済指標というように、一次情報も合わせてチェックすると、情報の精度が高まります。