資金を上手に作るコツはこれ!
現在、高木さんは独身で、ご両親と一緒にお住いなので、実は、今が一番お金を貯めやすい時期であることはご存じでしょうか。
高木さんの家計簿の明細の内訳を見ると、実家に5万円入れて、奨学金の返済で2万円、あとは自分の好きにできるお金です。そのうち、近い将来のために、毎月3万円の定期預金、万が一のために生命保険の1万円、これが現在の状況です。とてもいいと思います。
今回は老後のお金も、ちょっと先の将来に使うお金も、同時に作っていく方法を考えていきます。
まずは、今回のご相談のきっかけになった、企業型DCを使っていく場合です。
高木さんの会社の場合、選択制の企業型確定拠出年金で、会社が3000円毎月拠出してくれて、個人で拠出できる金額は、5万2000円までです。
高木さんの現在の年収は、約560万円で、この先今と条件が変わらず、28歳から60歳の退職時まで会社と個人で積立をしていくこととしましょう。高木さんが2万円拠出した場合の試算をしてみました(住民税は前年度の所得によって計算されますので、2年目以降の数字になります。あくまでも概算です。)。
会社積立分
まず、会社積立分は、
3000円×12カ月×32年=115万2000円
となります。
個人積立分
個人積立分は、
2万円×12カ月×32年=768万円
の元本を積立てすることができます。
以上より、①+②=883万2000円分の元本を企業型DCで貯めていくことができます。年数があるので元本でもすごいですね。
さらに、企業型DCは、税金と社会保険料が削減されます。ただ、毎月“税金が引かれない”ということで表現されるので給与明細では削減額が見えにくいですが、下記の通り削減されます。
税金(所得税・住民税)の削減額
2万円積立てることに伴う、所得税の削減額が年間1万1800円、住民税が年間1万5800円削減され、
2万7600円×32年=88万3200円
となります。
社会保険料削減額
これに伴う社会保険料の削減額は、年間3万4572円です。よって、
3万4572円×32年=110万6304円
合計すると、③+④=198万9504円の削減額になります。これは、毎月元本5000円くらい32年間積み立てたことに相当します。よって、この削減額を原資に、つみたてNISA等を使って再投資していきましょう。経済的な感覚では、2万円貯蓄額を増やしたことで、おまけに毎月5000円のつみたてNISAができてしまう感じです。
ただ、注意したいことは、社会保険料が削減されるということは、将来受け取ることができる年金が減ること、傷病手当金等として受け取ることができる金額が減ることになるので、ご注意くださいね。
これはあくまでも一例です。それぞれの掛金については、ライフイベントの変化に合わせて楽しんで変えていってください。