最近、アイドルやモデルなどの芸能人に憧れる若者の気持ちを利用した悪質な詐欺が増えています。特にSNSやウェブを使って若者に自ら応募させ、レッスン料などをだまし取るパターンが多いので要注意です。
鈴木さん(仮名、18歳女性)は以前からアイドルに憧れていて、ネットで見つけたオーディションに申し込んだところ、詐欺に遭ってしまいました。
悪質業者はどういった手口で勧誘してくるのか、だまされないためにどうすればよいのか、鈴木さんの体験談をもとに考えてみましょう。
アイドルに憧れ続けた人生
鈴木さんは、子どもの頃からずっとアイドルに憧れ続けてきました。テレビやYouTube、ライブ配信などで人気アイドルをチェックし、ダンスや歌の練習にも通い「デビューできたときの芸名」をひそかに考えて1人でほくそ笑んだりしている少女でした。
ただ、親からは「最低でも高校はちゃんと卒業しなさい」「アイドルなんて非現実的」などと言われて反対されたので、今まで本格的なアイドル活動ができませんでした。
「未成年の場合には親権者の同意がないと契約できない」とも言われていたので、「とりあえず成人になってからアイドルになるための契約をしにいこう」とぼんやり考えていたのです。
オーディションを受けると補欠合格に!
鈴木さんの情報収集手段は、主にスマホによるネット情報です。Twitterやインスタグラム、LINEやYouTubeなどのSNSもよく利用しますし、ウェブサイトを直接見にいくこともあります。
あるとき、暇つぶしにスマホでSNSを見ていると、「アイドルユニットを結成するのでメンバー募集」という芸能事務所の広告が目に飛び込んできました。18歳になっていた鈴木さんは「これだ!」と思い、迷わず申し込みました。
オーディションの当日は面接をして簡単な歌や演技の審査があり、鈴木さんがドキドキしながら待っていると、結果は「補欠合格」に。たとえ補欠でもアイドルになれる可能性が残されたので、鈴木さんは期待で胸がいっぱいになりました。