これからも医療とは距離をとって生きていく

なぜ病院に行きたくないのか、いろいろ理屈を言ってきましたが、今回は医療に助けられたことに感謝はしています。しかし、原則として医療に関わりたくないという気持ちは今も変わりません。

中川さんも言っていましたが、受診の予定を7月にしていたら、もはや生きていなかったかもしれません。

そもそもかつての東大病院というのは、どこの医者に診てもらっても匙を投げられ、最後の望みとして患者さんがやってくる病院だったからです。

とりあえず、今回は生きて帰ってきました。それどころか、病院嫌いの私が再び入院して、白内障の手術も受けました。

おかげで、メガネなしで本が読めるようになりました。本を読むのが仕事の一部なので、これはとても助かっています。

ただ、白内障の手術を受けたことで、中川さんなどは私の医療に対する考え方が変わったのではないかと言っていますが、実は何も変わっていません。

これからも、身体の声に耳を傾けながら、具合が悪ければ医療に関わるでしょうし、そうでないときは医療と距離をとりながら生きていくことになるでしょう。

 

『養老先生、病院へ行く』

 

養老孟司、 中川恵一著
発行所 エクスナレッジ
定価 1400円+税