2021年12月、三井住友銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。
第1位「ダブル・ブレイン」の概要
三井住友銀行の12月販売ランキング1位は、「ダブル・ブレイン」だった。同ファンドは、イギリスのマン・グループが運用するファンドを通じ、株式や債券、コモディティ(商品) に関するデリバティブ取引、及び為替予約取引などを主要取引対象とするファンドである。
主な戦略は「ダイバーシファイド戦略」と「ターゲットリスク戦略」である。「ダイバーシファイド戦略」はロング(買い)とショート(売り)を行い、上げ相場でも下げ相場でも利益を狙いに行く運用手法である。一方のターゲットリスク戦略では、投資対象を買い持ち(ロング)して、安定した収益の獲得を目標に運用を行う。同ファンドの11月末時点における騰落率は、以下の通り。
1カ月 -2.1%
3カ月 -0.7%
6カ月 6.4%
1年 13.4%
直近のパフォーマンスは冴えないものの、上げ相場でも下げ相場でも安定的な利益を狙える同ファンドの人気は高い。米国株式ファンドのような高いリターンをだしていないものの、下落時の耐性が強いという安心感があるので、2022年1月以降も同ファンドが三井住友銀行のランキング上位に入る可能性は高いだろう。
全体を見て:外国株式ファンドが人気
1位と2位がヘッジファンド運用の「ダブル・ブレイン」関連であるものの、外国株式ファンドの人気も高い。4位の「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は、日本を含む世界各国(エマージング国を除く)の株式を投資対象とし、長期的な成長を目的に積極的な運用を行うアクティブファンドである。12月末時点における、組入上位銘柄は以下の通り。
1.マイクロソフト(アメリカ) 5.7%
2.3iグループ (イギリス) 5.2%
3.アメリカン・タワー(アメリカ) 4.7%
4.コカ・コーラ(アメリカ) 4.5%
5.ベラリア(フランス) 4.3%
そして、12月末時点における騰落率は以下の通り。
1カ月 5.35%
3カ月 10.77%
6カ月 11.99%
1年 33.94%
同ファンドは、配当が高いバリュー株(割安株)に投資するアクティブファンドである。各国の長期金利が上昇傾向にあるので、グロース株(成長株)よりバリュー株が優位な展開になってきている。1999年に設定され20年以上の実績があり、毎月分配型ファンドとして高い実績を残していることから、2022年1月以降も三井住友銀行のランキング上位に入る可能性は高いだろう。