iDeCo+ってどんな仕組み? どこがおトク?
「iDeCo」については耳にしたことがあるという方が多いでしょう。「個人型確定拠出年金」の愛称で、税制優遇のある老後資産形成制度として認知を拡げ、2021年5月に加入者が200万人を超えました。
一方で「iDeCo+(プラス)」という仕組みについて聞いたことがある方は、まだ少ないと思います。「iDeCo」に何がプラスされるかというと、勤務先が自分の掛金にお金をプラスしてくれる制度です。正式名称を「中小事業主掛金納付制度」と言い、従業員規模が300名以下の会社で、年金で受け取れるタイプの退職金制度(「企業年金」といいます)がない場合に認められている制度です。
会社が本人の掛金に上乗せするお金は損金扱いとなるので、税制面の優遇を受けながら社員が老後資産形成をしているのを応援できる仕組みです。上乗せする金額は社員全員一律が基本ですが、勤続年数や職種によって金額を設定することもできます(役職による設定は認められていません)。
企業年金のない会社にお勤めの方のiDeCoの掛金は月額5千円以上2万3千円以下となっていますから、本人の掛け金と会社が上乗せする金額合わせてこの下限・上限の範囲であること、そして、それぞれ千円単位というルールがあります。ちなみに、本人がiDeCoに加入し、積立をしていることが前提なので、会社だけが掛け金を出すということはできません。
例えば今、iDeCoに毎月1万円積み立てしている方が、iDeCo+によって会社から1万円上乗せされることになったとしましょう。そうすると、2倍のスピードで老後資産が積みあがっていくということになります。20年間積み立てて、積立総額が自分の掛金だけだと240万円、それが480万円と倍になり、さらに積立額が増えることで運用による利益も大きくなります。もし、20年間の運用が利回りに直すと平均3%だった場合、656万円というまとまった老後資金が準備できることになります。これはありがたいですよね。