米国株式インデックスへの投資は、うまく行き過ぎ?

ほんの数年前まで、投信積立の「定番」と言えば、日本を除く先進国の株式を対象とするMSCIコクサイインデックスへの連動を目指すインデックスファンドであった。「インデックス型」というくくりでは、全世界株式も市民権を得たと言えるが、2018年半ばごろからは米国株式、とりわけS&P500指数をベンチマークに掲げたインデックスファンドの大躍進が目立っている。

「鶏が先か卵が先か」の議論にはなるが、2018年1月に始まったつみたてNISAは、今のところ、好調に推移する米国株式市場に比例する形で口座数が増加を続けている。米国株式インデックスファンドで成功体験を積んだ投資家がSNS等を通じて情報を拡散し、さらに新しい投資家を呼び込むという構図ができあがり、結果的に金融庁の狙い通り、資産形成期の若年層が利用者の中心となっている。

筆者が所属する楽天証券でも、つみたてNISAを中心に、米国株式インデックスファンドの保有者と預り資産残高が伸びているが、現在の勢いにはいささか不安も覚える。というのも、右肩上がりの株式市場も相まって、「うまく行き過ぎている」からだ。

そこでここからは、日本の個人投資家向けに展開されている米国株式インデックスファンドについて改めて整理するとともに、本家である米国での変遷と最新のトレンドについても見ていきたい。