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【プロが解説】諸刃の剣となり得る高性能AIモデル登場、「サイバーセキュリティーショック」が問う防御態勢と依存リスク

古川 輝之
古川 輝之
コモンズ投信 運用部 アナリスト
2026.06.01
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【プロが解説】諸刃の剣となり得る高性能AIモデル登場、「サイバーセキュリティーショック」が問う防御態勢と依存リスク

日本の新しい国づくりに向け“変化を始めた企業”、“変化にチャレンジする企業”を中心に、中長期的な視点で厳選した国内株式を主な投資対象とする、コモンズ投信のアクティブファンド「ザ・2020ビジョン」。その月次レポートから、アナリストによるコラムをご紹介します。
※本稿は「ザ・2020ビジョン」月次レポート(作成基準日 2026年4月30日)内『未来予想図』を転載・再編集したものです。

AIによるサイバー攻撃リスクを前に、巨大IT企業・クラウド依存からの脱却と市場成長への対応が課題に

先日、米国のAI企業が高性能AIモデルを開発しました。同モデルの特長は、特にサイバーセキュリティ分野において、主要なOS(Operating System)やWebブラウザに内在しながらもメーカーや開発者が気づいていない、または修正プログラムが提供されていないセキュリティ上の欠陥を自律的に発見する機能を備えている事です。見方を変えれば、防御機能と攻撃機能の両方を持つ諸刃の剣と思えるほどです。その危険性から一般公開されておらず、防御目的に限定して提供されているようです。

同モデルの登場は世界の政財界、金融界に波紋を広げています。いつの時代もイノベーション(革新)やディスラプション(破壊的創造)は発生しますが、本件においては米国もさることながら、日本においても関係機関において緊急提言及び官民連携による防御態勢の強化に動いております。

今後の課題という観点では、依存からの脱却ということが挙げられると感じます。

サービス提供者への依存という観点では、一部の巨大IT企業しかアクセスできない同モデルを活用せざるを得ないリスクです。デジタル赤字が続いている日本にとって依存リスクは今になって始まった話ではありません。ただ日本には大手ITメーカーが存在するのも事実です。そのような企業の中にも本件AI企業と協業する動きもあり、先ずは先頭を走る企業にしっかり食らいつき、日本モデルのAIに繋げる必要があります。

管理運用の観点では、そもそもクラウド一辺倒でよいのか、プライベートクラウドがよいのか、前提条件次第ではオンプレミス(自社サーバー)もありえるのか。そのような問いを国、各企業が議論の俎上に上げる必要があるかもしれません。サーバーというと、かつては、とてつもなく巨大な機械がオフィスフロアーの半分を占有していた時代がありました。部分運用であればかつてほどのスペースや規模、コストも抑制できるかもしれません。

政府が掲げる戦略17分野の1つに『デジタル・サイバーセキュリティ』があります。

先行して検討を進めている製品・技術等に①データプラットフォーム②セキュリティの確保された政府・地方公共団体のDX基盤、があります。令和7年度国家サイバー統括室予算は約115億円、補正予算として425億円で合計540億円です。世界のサイバーセキュリティ市場の規模は様々な予測がありながらも40兆円程度とされ、今後10年で平均10%程度の成長が期待できるとのことです。

半導体市場が100兆円の市場規模になった今、規模としては及ばないものの日本主導で強みが出せれば魅力的な市場になっていることは明白です。市場の約7割程度を占めるソリューション(製品)もさることながら、人手不足で企業内での専門人材を抱える負担を考えると運用委託のニーズがより成長するかもしれません。引き続きこの市場動向を注視していきたいと思います。

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著者情報

古川 輝之
ふるかわ てるゆき
コモンズ投信 運用部 アナリスト
日東電工はじめ、国内の事業会社にて経理、財務、IRに従事。2022年5月にコモンズ投信に入社。現在は機械セクター中心に幅広くリサーチ活動に従事。
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