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藤原延介のアセマネインサイト

【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉕
NISA利用状況に変化あり⁉ 4-6月期のつみたて買付額が減少

藤原 延介
藤原 延介
BNPパリバ・アセットマネジメント マーケティング部
2025.11.04
会員限定
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉕<br />NISA利用状況に変化あり⁉ 4-6月期のつみたて買付額が減少

金融庁が9月24日に「NISA口座の利用状況調査(令和7年6月末時点)」を公表しました。2024年は新しい少額投資非課税口座(NISA)が始まり、その買付額は急拡大しましたが、今回の発表を受けて2025年1-6月のデータが明らかになったことになります。2025年は年初に株式相場が軟調な動きとなったことを受けて、新NISA元年となった2024年と比較すると、投信資金フローはやや減速傾向が見られましたが、今回は最新のNISA統計から、NISA口座における買付の状況を確認していきたいと思います。

2025年もNISA買付額は上期で10兆円超え

2025年1-6月(上期)におけるNISAの買付額は10.5兆円で、その内訳は成長投資枠が7.4兆円、つみたて投資枠が3.1兆円となりました。2014年にNISA制度がスタートしてからの累計買付額は63.1兆円に達しています。なお、2022年11月に政府が決定した資産所得倍増プランでは、5年間における累計買付額を2022年3月末時点の27.6兆円から56兆円に倍増させる目標を掲げていましたが、これは2025年1-3月の時点で早々に達成していました。

以下のグラフで見ても、新NISAスタートにより2024年の買付額が計17.4兆円(成長投資枠12.4兆円、つみたて投資枠5.0兆円)と大きく膨らみ、2025年上期でもすでにその半分を超えるなど順調に推移しているように見えます。ただし、細かく比較してみると、2025年上期の買付額は10.5兆円と2024年上期の10.1兆円を上回っていますが、成長投資枠は2025年上期が7.4兆円と前年同期の7.9兆円を下回っています。つみたて投資枠が2025年上期に3.1兆円、前年同期に2.2兆円となっていることから、つみたて投資の拡大によって2025年の買付額の好調が維持できていることとなります。成長投資枠は、旧NISAにおける一般NISAの特徴を引き継いでいると考えると、相場動向の影響を受けやすく、やはり2025年に入ってからトランプ・ショックまでの株式相場の下落の影響を受けていたと言えるでしょう。



 

4-6月期のつみたて買付額が減少

また、つみたて投資枠に関しても、1-3月と4-6月に分けてみると、気になる動きが見られます。2025年上期に3.1兆円に上ったつみたて投資枠での買付ですが、1-3月に1兆6111億円、4-6月に1兆4605億円と1500億円ほど減少しています。つみたて投資枠の中でも月ごとなどで買付額を変更できるため、年が変わった1月は買付額が膨らみやすいといった要因はあったと思われますが、それでも新NISAが始まって順調に拡大してきた買付額が4-6月期に減少しているのは気になる動きです。

その他の要因として考えられるのは、やはり年初から4月上旬までの株式相場の低迷でしょう。つみたて投資はそういった下落時ほど効果を発揮するものではありますが、値動きの大きさなどからつみたて投資の買付を減らしたり、止めたりといった投資行動があったのかもしれません。また、1月の投信市場への資金流入額の大きさを勘案すると、成長投資枠を使い切った投資家がつみたて投資枠を活用したというケースもあったかもしれません。3カ月で1.5兆円程度の買付額は、月間で5000億円程度にも上り、投信市場の資金流入においてもその存在感は高まっています。これが安定的なつみたて投資として、さらに積み上がっていくかどうか、今後の投信市場の拡大をうらなう上で見極めていく必要があるでしょう。


 

投信資金フローは9月に急回復

なお、NISA統計は最新が2025年6月末時点なので、その後の状況は確認できませんが、4月以降の株式相場の上昇を受けて、足元で投信資金フローは新たな動きを見せています。個人投資家の動向を反映するといわれる上場投資信託(ETF)を除く追加型株式投信の資金フローを見ると、今年1月にピークを付けた後、7月まで6カ月連続で資金流入が減速していましたが、足元の8月・9月で流入額が急回復しています。特に、9月の資金流入額は+1.3兆円強とトランプ・ショック前の今年3月以来、6カ月ぶりの高水準となっており、個人投資家の投資意欲も再び高まっていると見られます。NISAにおけるつみたて投資枠の買付額が減少したのが一時的な動きだったのかどうか、今後のNISA口座の利用状況調査の結果を待ちたいと思います。いずれにしても、2025年初めのような下落時こそつみたて投資を継続することが必要だということを改めて訴求していく必要がありそうです。


 

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著者情報

藤原 延介
ふじわら のぶゆき
BNPパリバ・アセットマネジメント マーケティング部
2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社し、サステナブル投資や欧州規制動向など資産運用に関連する情報発信を担う。1998年三菱信託銀⾏⼊社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパン。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど約25年に渡りリサーチ、投資啓蒙に従事。慶応⼤学経済学部卒。
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