米国の労働統計局(BLS)が発表する雇用統計は速報性などから非常に重要な指標となっており、市場の注目も高い。雇用統計は非農業部門の雇用、労働時間、収入などを業種や地域の詳細とともに測定する事業所調査(CES)と、人口動態の詳細に基づいて16歳以上で刑務所などの施設に入っていない人口の労働力状態を測定する家計調査(CPS)に分かれている。
グローバル経済の不透明感が強さを増していく中で、特に経済の中心地・米国については、中央銀行の舵取りから資本市場の値動き、政治の動向など、グロ-バル経済の変数となる事象が多いこともあり、国内金融機関からは投資の目線のみならず企業経営の観点でも強い関心が寄せられている。
当シリーズでは、ニッセイ基礎研究所の経済研究部で主任研究員を務める窪谷浩氏が、米国の社会・経済の先行きを考える上で欠かすことのできないイベント、ニュースや経済指標をピックアップ。さまざまな切り口から分析・解説していく。