メキシコ国境を越えて米国に不法入国し身柄を拘束された人数(不法越境者数)が2021年度(2020年10月~21年9月)から急増している。22年度累計は220.6万人と1960年の統計開始以来で最高となり、続いて2023年度も同204.5万人と前年度に次ぐ多さとなった。24年度も高水準の流入が続いており、12月は24.9万人と月間ベースで史上最高を更新した(図表1)。
グローバル経済の不透明感が強さを増していく中で、特に経済の中心地・米国については、中央銀行の舵取りから資本市場の値動き、政治の動向など、グロ-バル経済の変数となる事象が多いこともあり、国内金融機関からは投資の目線のみならず企業経営の観点でも強い関心が寄せられている。
当シリーズでは、ニッセイ基礎研究所の経済研究部で主任研究員を務める窪谷浩氏が、米国の社会・経済の先行きを考える上で欠かすことのできないイベント、ニュースや経済指標をピックアップ。さまざまな切り口から分析・解説していく。