finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート
金融専門の公認会計士が示す 攻めの金融商品会計のアイデア

いざというときに備えたい「24号報告ヘッジ会計」(概要編)

岡本 修
岡本 修
新宿経済研究所 代表社員社長 公認会計士
2023.06.20
会員限定
いざというときに備えたい「24号報告ヘッジ会計」(概要編)

銀行業におけるヘッジ会計

著者自身は現在、金融商品会計と金融規制に特化した金融コンサルティング会社を運営しているが、こうしたなかで痛感するのが、リスク管理上、金融商品会計や金融規制をうまく使いこなしていくことの重要性だ。とりわけヘッジ会計と呼ばれる会計上の技法は、古くて新しいテーマのひとつである。昨今の物価上昇はウクライナ戦争勃発にともなう世界的な資源価格上昇による一過性のものなのか、それとも日本銀行の10年来の金融緩和が功を奏し、本格的に日本経済が回復基調に入ったのかどうかは、議論が分かれるところだろう。

著者自身、外国で発生した、金利上昇局面における流動性管理に失敗したことに起因する金融機関の経営破綻のような出来事は、日本では生じにくいのではないかとは考えている。また、発足したばかりの「植田日銀体制」が、短期的に金融政策を大幅に変更する可能性はさほど大きくない、というのが市場コンセンサスに近いだろう。

ただ、ひとつだけ間違いないことがあるとすれば、もしも今後、本格的に金利が上昇する場合、それは多数の金銭債権を抱えている銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合といった金融機関にとって、経営上のリスクとなり得ることだ。昔から、備えあれば憂いなし、という。こうしたなかで、本稿では著者が経営する会社に最近頻繁に寄せられる、「第24号ヘッジ」と呼ばれるものの考え方の一端を紹介しておきたい。

銀行業におけるヘッジ会計

著者自身は現在、金融商品会計と金融規制に特化した金融コンサルティング会社を運営しているが、こうしたなかで痛感するのが、リスク管理上、金融商品会計や金融規制をうまく使いこなしていくことの重要性だ。とりわけヘッジ会計と呼ばれる会計上の技法は、古くて新しいテーマのひとつである。昨今の物価上昇はウクライナ戦争勃発にともなう世界的な資源価格上昇による一過性のものなのか、それとも日本銀行の10年来の金融緩和が功を奏し、本格的に日本経済が回復基調に入ったのかどうかは、議論が分かれるところだろう。

著者自身、外国で発生した、金利上昇局面における流動性管理に失敗したことに起因する金融機関の経営破綻のような出来事は、日本では生じにくいのではないかとは考えている。また、発足したばかりの「植田日銀体制」が、短期的に金融政策を大幅に変更する可能性はさほど大きくない、というのが市場コンセンサスに近いだろう。

ただ、ひとつだけ間違いないことがあるとすれば、もしも今後、本格的に金利が上昇する場合、それは多数の金銭債権を抱えている銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合といった金融機関にとって、経営上のリスクとなり得ることだ。昔から、備えあれば憂いなし、という。こうしたなかで、本稿では著者が経営する会社に最近頻繁に寄せられる、「第24号ヘッジ」と呼ばれるものの考え方の一端を紹介しておきたい。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #マーケット&プロダクト
  • #会計・税制
前の記事
有効性検証不要!アセットスワップ投資戦略とヘッジ会計
2023.05.22
次の記事
ヘッジ戦略としての「債券ベアファンド」を買わざるを得ない会計上の理由
2023.07.20

この連載の記事一覧

金融専門の公認会計士が示す 攻めの金融商品会計のアイデア

マーケット・リスク相当額の算出を新たに開始した銀行は「?行」だった

2025.10.24

「満期保有宣言を行えば減損回避可能」という謎のロジック

2025.09.25

国債に減損処理が必要なのか

2025.08.25

アセット・スワップの会計:「途中からヘッジ」は認められるのか

2025.07.23

改めて確認するアセット・スワップ会計の実務

2025.06.25

未履行のコミットメントに適用するリスク・ウェイトは何%?

2025.05.20

バーゼルⅢ最終化で振り返る「規制強化」の歴史

2025.04.21

組合で保有する非上場株式の時価評価容認へ

2025.03.25

リース会計がもたらす金融機能の低下リスク

2025.02.20

リースのオンバランス化とリスク・アセットへの影響を探る

2025.01.22

おすすめの記事

広島銀行の売れ筋に見えるアクティブファンドの魅力、「ラップ型ファンド」にも評価が高まる

finasee Pro 編集部

長野市vs松本市"不仲説"を乗り越え統合の八十二銀・長野銀が、「もう取引しない」と立腹の取引先と雪解けに至るまで

川辺 和将

1000億円規模で新規設定された「野村日本バリュー厳選投資」、新規設定金額は2カ月連続大幅増 =25年10月新規設定ファンド

finasee Pro 編集部

三菱UFJ銀行の売れ筋トップに「日経225」、圧倒的なパフォーマンスのアクティブファンドは?

finasee Pro 編集部

【連載】こたえてください森脇さん
⑫元本保証でない商品の販売を嫌がる職員への働きかけ

森脇 ゆき

著者情報

岡本 修
おかもと おさむ
新宿経済研究所 代表社員社長 公認会計士
1998年 慶応義塾大学商学部卒業後、国家公務員採用一種試験(経済職)合格。中央青山監査法人(2000年)、朝日監査法人(現・あずさ監査法人)(2002年)を経て、2006年にみずほ証券入社。9年間、債券営業セクションにて金融機関を中心とするソリューション営業に従事し、2015年に金融商品会計と金融規制に特化したコンサルティング・ファームの合同会社新宿経済研究所を設立、現在に至る。株式会社Stand by C顧問。公認会計士開業登録(2004年)。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
長野市vs松本市"不仲説"を乗り越え統合の八十二銀・長野銀が、「もう取引しない」と立腹の取引先と雪解けに至るまで
【連載】こたえてください森脇さん
⑪預かり資産業務に対するマネジメント層の理解が低い
広島銀行の売れ筋に見えるアクティブファンドの魅力、「ラップ型ファンド」にも評価が高まる
1000億円規模で新規設定された「野村日本バリュー厳選投資」、新規設定金額は2カ月連続大幅増 =25年10月新規設定ファンド
【連載】こたえてください森脇さん
⑫元本保証でない商品の販売を嫌がる職員への働きかけ
金融緩和、インフレ、インバウンドで日本の近代美術作品に熱視線?――アート市場の最新動向を銀座画廊界キーパーソンに聞いた
三菱UFJ銀行の売れ筋トップに「日経225」、圧倒的なパフォーマンスのアクティブファンドは?
いわき信組処分の余波……金融庁は刑事告訴を検討も、地域金融機関を救う「資本参加制度の延長論」に落とす影
SMBC日興証券の売れ筋に投信市場の主役交代の予感、「電力」と「ブロックチェーン」は「M7」の次を担えるか?
高水準の資金流入と株高で純資産残高が約8兆円の大幅増、流入4位に日本株バリュー。高パフォーマンスは「半導体」=25年10月投信概況
【連載】こたえてください森脇さん
⑫元本保証でない商品の販売を嫌がる職員への働きかけ
金融緩和、インフレ、インバウンドで日本の近代美術作品に熱視線?――アート市場の最新動向を銀座画廊界キーパーソンに聞いた
三井住友銀行の売れ筋でランクアップしたファンドは? ランクインした「ライフ・ジャーニー」は期待以上のリターン
長野市vs松本市"不仲説"を乗り越え統合の八十二銀・長野銀が、「もう取引しない」と立腹の取引先と雪解けに至るまで
1000億円規模で新規設定された「野村日本バリュー厳選投資」、新規設定金額は2カ月連続大幅増 =25年10月新規設定ファンド
【連載】こたえてください森脇さん
⑪預かり資産業務に対するマネジメント層の理解が低い
みずほ銀行の売れ筋は単位型ファンドの一巡で定番ファンドが復調、意外と高リスクのファンドが人気化
三菱UFJ銀行の売れ筋トップに「日経225」、圧倒的なパフォーマンスのアクティブファンドは?
いわき信組処分の余波……金融庁は刑事告訴を検討も、地域金融機関を救う「資本参加制度の延長論」に落とす影
投資信託の「運用損益」プラス顧客率ランキング 
銀行、証券会社以外の選択肢とは?【IFA編】
投資信託の「運用損益」プラス顧客率ランキング 
銀行、証券会社以外の選択肢とは?【IFA編】
【ネット証券&対面証券72社編】投資信託の「運用損益」プラス顧客率ランキング
片山さつき新大臣は「資産運用立国」基本線を継承へ!一方、岸田元首相が運用業界につきつけた「注文」とは…
【連載】こたえてください森脇さん
⑩役席者には収益目標、現場には残高目標。両方を達成するには?
【新連載】プロダクトガバナンス実践ガイド~製販情報連携の背景と事例
①プロダクトガバナンスが注目される背景と製販情報連携の重要性
【連載】こたえてください森脇さん
⑪預かり資産業務に対するマネジメント層の理解が低い
【みさき透】高市内閣で「運用立国」から「投資立国」へのシフトが加速へ
ファンドモニタリングは、どの指標を参照すればいいか
(3)アクティブファンドのモニタリング② α(アルファ)値とβ(ベータ)値
【文月つむぎ】片山さつき新大臣に贈る言葉
銀行・保険会社による暗号資産解禁案、金融庁がにじませた「躊躇」を指摘する声も。その理由とは…?
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2025 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら