夫の年収は550万円から900万円に。それでも余裕がない
20代後半、夫の年収は約550万円でした。借り入れた住宅ローンは5000万円。毎月約14万円の返済は、子どもの成長とともに教育費が増えてからも変わらず続いています。
裕子さんは、出産を機に一度は専業主婦になりました。夫は会社員として仕事を頑張り、年収は少しずつ上がっていきました。現在の900万円という金額を、裕子さん自身も「十分に恵まれた収入だと思う」と言います。夫が家族のために働いていることに、感謝もしています。
「でも、子どもが2人いると、贅沢なんてできないんです。中学受験まで考えたら、夫の収入だけでは厳しい。このままでは無理だと気づいて、私も派遣で事務の仕事を始めました」
こうして世帯年収は約1200万円になりましたが、暮らしにゆとりが生まれたという実感はありません。家計を見直すなかで、車を処分することにもしました。裕子さんご夫妻は結婚前は旅行が趣味でしたが、子どもたちは、まだ海外旅行へ行ったことがありません。
「うちは余裕があるから私立に、という感覚ではありません。必死で、お金をかき集めて教育費にベットしているというのが近いです。車を諦めて、旅行もめったにしない。それでも、子どもの教育には何とかお金を出したい。ずっとそうやってやりくりしています」
裕子さんは、これまで所得を理由に公的な補助の対象から外れた経験も重なり、「支援が必要ない家庭と思われているようですが、実際の暮らしとのギャップを感じる」と話します。
もちろん、同じ世帯年収でも、住居費や子どもの人数、貯蓄、親からの援助によって家計のゆとりは大きく違います。裕子さんご夫婦は今でこそ年収が1200万円ですが、4~5年前は700万円ほどで、子どもが小さい頃からその収入で貯めてこられたわけでもありません。教育費を補ってくれる実家の援助もありませんでした。家計は傍からみるほど余裕がないという言葉に納得です。
