「私は指輪を売ったのに、あなたは部下に2万円もおごったの?」
夫の話を聞いたとき、裕子さん(仮名)は、怒りを抑えることができなかったと言います。
裕子さんには中学1年生と小学5年生のお子さんがいらっしゃいます。上のお子さんは2026年2月に中学受験を終了しました。今回は、そのご長男の受験にともない、急激に悪化してしまった家計について取材しました。
夫の年収は約900万円。二人ぶんの育児と家事をおもに担いながら派遣社員として事務の仕事をする裕子さんの収入を合わせると、世帯年収は約1200万円です。数字だけを見れば、教育費のために大切な品を売る必要などまったくなさそうです。
けれど、二人の子どもに中学受験をさせることに加えて、外からは見えにくい要因によって話は大きく変わってしまうようです。
2012年、低金利の時代に購入した中古マンションの住宅ローンの返済は毎月約14万円。そこに管理費や駐車場代などが月3万円近く上乗せされます。購入当初はあまり意識していなかった固定資産税に関しては、「年末の温泉旅行のイメージで貯めたお金が、毎回税金の通知で消えていく感覚」と裕子さんは苦笑します。
双方の両親からの金銭的な援助はなく、共働きで頑張りながら少しずつ貯金をしてきました。
「年収は悪くないのに、なぜお金がないの? もしかして中学受験が身の丈に合っていないのかもしれない」……そう懊悩すること自体がつらいという裕子さんに、その事情を伺います。
