資産運用も視野に入れたほうがいい
1000万円、2000万円といったまとまった額の財産を相続したとき、できれば1円も減らしたくないと考える気持ちはわからないでもない。
しかし、相続は財産管理の終わりではない。むしろ、相続によってお金を得てからが始まりだ。もらったお金は自分の手で守らなければならない。
とはいえ、必ずしも遺産を増やさなければならないわけではない。学費や生活費、住宅購入資金にあてるほうがいい場合もある。であれば、無理に資産運用をする必要はないだろう。
一方、10年、20年は使う予定のない資金の場合、貯金しておくだけではもったいないかもしれない。この場合は資産運用を選択肢に加えることも考えるべきだろう。
丈雄さんは最後にこう反省していた。
「自分がもう少し広い視野で考え、一歩を踏み出す勇気を持てれば……人生がもう少し豊かになったかもしれません」
彼は1000万円も相続しながら、現在でも老後の生活資金や自宅のリフォーム資金に頭を悩ませている。
対する寛人さんは私に「あの時資産運用をはじめてよかった……。ある意味人生の転換点でした」と語った。
資産運用は基本的に運用資産が大きいほど有利だ。彼は今将来の不安をあまり感じておらず、このまま穏やかに、人生を過ごし、老後を迎えられると考えているようだ。
「親が残してくれた財産を減らしたくない」という丈雄さんの気持ちは理解できる。
だが、親が遺してくれた大切な財産を守っていきたいのであれば、現金で眠らせておくのは避けたほうがいいかもしれない。
リスクを取って資産を増やしに行くという行為。それもまた、相続した財産を守るために必要なことなのだ。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
