<前編のあらすじ>
丈雄さんと寛人さんは2人兄弟。
2018年頃、2人の母が亡くなり、遺産を相続することになった。2人はそれぞれ現金1000万円を相続したが、その使い方は違った。
兄の丈雄さんは、できるだけ遺産を減らさないようにと、1000万円を預金しておいた。
一方、弟の寛人さんは投資ブームに乗り、資産運用に回した。
それから数年後。兄・丈雄さんは遺産を子どもの進学費用などに使ってしまい、200万円しか残っていなかった。
一方、弟・寛人さんは、資産運用によって遺産を2000万円に増やしていた。
なぜ2人の間にこれほどの差が生まれたのだろうか?
●前編:【1000万円があっという間に200万円に…相続したお金の大半を溶かしてしまった兄がやっていたこと】
弟は「運がよかった」
丈雄さんと寛人さんの金融資産額に大きな差が生まれたことは間違いない。ただ、だからといって、相続したお金については、リスクを取って、全額を資産運用に回した方がいいという結論に短絡的に至ってはいけない。
寛人さんが資産を増やすことができた背景には、近年の株式市場が好調だったという事情がある。
寛人さんは投資信託等に比べてリスクが高いとされる個別株の売買も行っていた。そのおかげで寛人さんは資産を大きく増やしたのだが、逆に不況の場合、資産を大きく減らしていた可能性もある。
時と場合によっては、丈雄さんと同じく、寛人さんも1000万円がほとんど残っていなかった可能性があるわけだ。
寛人さん本人も「株高の好景気に助けられました、正直運がよかったと思ってます」と答えている。
実際、不況が5年どころか10年も続き、長い間株価が低迷することなど珍しくはない。日本でも失われた20年と呼ばれる長い低迷期を経験している。
投資成績がプラスになっている人の多くは、たまたま良い時期に投資していた、という見方もできる。
