「お金と向き合うこと」は「自らの人生や家族と向き合うこと」。資産形成だけにとどまらない、一人ひとりの人生の物語がきっとあるはず……。このたびFinaseeでは公募企画「あなたの『投資』と人生、教えてください!」を実施しました。全国から寄せられた投資にまつわる人生のさまざまな経験や思いが綴られた投稿の中から選ばれたニックネームたかみちさん(30代男性、関東地方在住)の体験談をお届けします。
「家族を守れているのか?」襲いかかる焦りと虚無感
「行ってきます!」
朝、10歳と7歳の息子たちが元気に家を飛び出し、小学校へ向かう。
「いってらっしゃい」
玄関で見送ってリビングへ戻ると、別室からは外資系企業で働く妻のパソコンからオンライン会議で飛び交う流ちょうな英語が漏れ聞こえてくる。
妻には仕事があり、子どもたちには学校という居場所がある。その反面、休職中の自分には、いったい何があるのだろう。
大学を卒業してから16年間、会社員として製品開発や企画の仕事に泥臭く向き合ってきた。しかし昨年末、心身のバランスを崩し、休職することになった。
仕事という役割を失った日々は、想像以上に大きな空白だった。家事を終えると、家の中は驚くほど静かになる。時計の秒針だけが響く昼間。社会から切り離されたような孤独と、収入が減ったことへの焦り。これから成長する息子たちの教育費を思うと、不安が胸をよぎる。
「父親として、家族を守れるのだろうか……?」
