良介が初めて示した強い拒絶
「……それで、仕事が決まるまで茉莉をうちに住ませろってことか?」
「そういうこと。仕事が決まるまでの間だから別にいいでしょ」
慶子は当たり前のように答えた。
「悪いけどそれは無理だよ」
良介は慶子を見据えて答えた。慶子は意外そうに目を見開いた。
「どうしてよ?」
「うちには子どもがいるんだぞ。部屋だって空いてない。どうやって住ませるって言うんだ」
今までは渋々ながらも良介は受け入れてきた。しかし今回ははっきりと拒否の姿勢を示した。
「仕事が決まるまでっていつだよ? 1年も働いてない人間だぞ? このままずっと無職の可能性だってあるだろ?」
「そっちに引っ越せば仕事は見つかるって言ってるじゃない」
慶子はしつこく食い下がった。茉莉はまた我関せずという顔でスマホを触り、義父は申し訳なさそうにうつむいていた。
「広報ってそんな簡単な話じゃないだろう。もし働く意思があるのなら、ある程度なりふり構わず仕事を見つけるべきだろ。でもその意思を茉莉からは感じない」
「適当な仕事をやってもいいけど、すぐ辞めるよ? それって意味ないでしょ?」
良介は茉莉に厳しい視線を向けた。
「生活をしていくためなら仕方ないだろ。みんな我慢しながら頑張って働いているんだぞ?」
「私はそんな人生嫌なの」
茉莉は真っ向から反論してきた。
