良介が選んだ守るべき家族
桜の言葉を聞き、茉莉は鼻で笑った。
「あっそ。だったら私のお願いを聞いてよ。家族なんだから当然でしょ?」
そこで良介は覚悟を決めたかのようにうなずいた。
「……もういいよ。これ以上あんたたちと話すことはない」
そう言って、良介は桜の肩に手を置いた。
「桜、理々杏たちにどこにいるか連絡をしてくれ。今から迎えに行こう」
「……え?」
桜は戸惑いの声を出した。当然、慶子も意味が分かっていなかったようだ。
「な、何を言ってるの?」
「もうこんなところにいるつもりはない。悪いけど帰るよ。それと、もう仕送りだってしないし、茉莉の援助も絶対にしないから」
それだけ言うと、良介は桜を立たせて荷物を持ち、玄関へ歩いていった。
茉莉が怒りの声を上げたり、慶子が引き留めたりしてきたが、良介は一切相手にせずに車を走らせ、義実家を離れた。
「よかったの? 縁を切るってことでしょ?」
「ああ。問題ないよ。俺が守るべき家族は桜たちだけ。それが分かったんだ」
そう言う良介はスッキリした顔で前を向いていた。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
