義母との関係に悩み続ける佳織

様子を見届けていた健吾が声をかけてきた。

「母さん、怒ってたの?」

佳織は肩を落としてうなずいた。

「……珍しいな。滅多に怒るようなタイプじゃないのに」

「いや、私がお中元を忘れたのがダメなの。お義母さんはちゃんと送ってくれたのに……」

健吾は立ち上がり、佳織の肩を叩く。

「まあ、そこまで気にしなくていいよ。俺のほうからもちゃんと謝っておくからさ」

「……うん。私のほうからももう一度ちゃんと謝るわ」

それから佳織と健吾はそれぞれ征子に連絡を入れて謝罪した。佳織はすぐにお中元を用意しようともしたが、健吾から「母さんは本当にいらないと言ってるよ」と釘を刺されたので、送らなかった。佳織の中には罪悪感ばかりが残った。

 

   ◇

 

このまま征子との関係はぎくしゃくしたままになってしまうのだろうか。

考えるたびに気落ちしていた佳織がとある妙案を思いついたのは、夏休みが終わって9月に入り、日常生活が戻ってきてしばらくたったころだった。

●息子の少年野球に追われる中、恒例のお中元を義母・征子へ贈り忘れてしまった佳織。謝罪しても距離を置かれてしまい、帰省を見送ったことまで疑われる中、佳織は関係を修復するためのある方法を思いつく…… 後編【「別にものがほしいわけじゃないから」お中元を忘れた嫁に義母が一言…手紙を機に明かされた“本音”】にて、詳細をお伝えします。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。