義母が疑い始めた嫁の本心

「そう。忘れてたのね……」

征子の声があからさまに沈んだ。

「すみません。今からでもすぐに用意して送りますから」

「……いや、いいの。そんなことしなくていいわ」

「で、でも」

佳織の言葉を征子が遮った。

「別にものがほしいわけじゃないから。ただ佳織さんから毎年いろいろと凝ったものを送ってもらえるのが嬉しかっただけよ。私のことをいろいろと気遣ってくれてるのが嬉しかっただけ」

「本当に申し訳ありません」

「今までだって面倒だと思ってた? もしそうなら言って。こんなやりとりはもう終わりにするから」

佳織は慌てて否定した。

「そんなこと思ってないです! 毎年ものを送り合えるのがとても楽しみだったんです」

「……楽しみにしてたら忘れるわけないでしょ。いいのよ、無理しないで」

征子の言葉に佳織は返事ができなかった。

「今年のゴールデンウィーク、帰省をしなかったけど、あれも本当はずっと嫌だったからじゃないの?」

「いや、お義母さん、本当にそんなことはありません。本当に今年は野球があって……」

「……そう。でも本当に嫌なら言ってくれていいのよ。私たちのためだけに皆が無理してるのなんて嫌だから」

「そんなことはありません。あ、あの、お中元は必ず送らせていただきますので」

「別にいらないわよ。お歳暮もいいからね。本当に気にしないで」

それから何度かやりとりをしたが、征子はお中元もお歳暮をかたくなに断り、電話は切れてしまった。