増え続ける借金と募るモヤモヤ

「東京からわざわざ来てくれてるんだから、食事代くらい俺が出すよ」

交際当初はそう言ってくれていた翔太だったが、大学院生でお金のない彼に無理をさせるのは忍びなく、デート代やホテル代はいつしか理沙がすべて負担するようになっていた。

「理沙は稼いでるから助かるよ。いつもありがとう!」

その無邪気な笑顔を見ると、理沙も「私が支えてあげなきゃ」と財布の紐を緩めてしまった。しかし、翔太の要求はエスカレートしていく。

「学会の出張費を立て替えてほしい」「パソコンが壊れたから新しいのを買うお金を貸してほしい」「後輩との飲み代が足りない」……。

最初は数万円だった無心は、次第に10万円、20万円と高額になっていった。「バイト代が入ったら返すから」という言葉を信じて振り込み続けたが、貸したお金が返ってくることはほとんどなかった。

理沙が33歳、翔太が26歳になるころには、貸したお金の総額は150万円にまで膨れ上がっていた。結婚の話も出ないまま、ただお金だけを吸い取られる日々に、理沙の心の中にはぬぐいきれない違和感と疲労が蓄積していた。

突然彼氏から告げられた言葉

「ねえ、前に貸したパソコン代、そろそろ少しでも返してもらえないかな?」

理沙が電話でそう切り出したときだった。電話の向こうの翔太は、しばらく沈黙した後、予想もしなかった言葉を口にした。

「ごめん。俺たち、もう別れよう」

頭の中が真っ白になった。3年間、東京から通い詰め、150万円ものお金を貸して支えてきたのに、突然の別れ話。

「どうして急に……! お金のことで怒ったから? それなら別に急がなくてもいいし……」

必死に取り繕おうとする理沙に対し、翔太は冷たく言い放った。

「お金のことは関係ないんだ。実は、他に好きな人ができたんだよね」

●彼氏から突然告げられた別れと女性の影。問い詰める理沙に対し、翔太の口からさらに残酷な事実が明かされる…… 後編【「新しい彼女が妊娠してるんだ」7歳下の彼氏に貢いだ150万円…33歳女性が直面した“あまりにも残酷な現実”】で詳説します。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。