「遺言書の作成」が必要だった

収入、健康、家族関係、事業の状況などは変わっていくものだ。私自身、5年前、10年前とは収入も事業の状況も、交友関係も大きく異なっている。

そういった変化に加えて、相続で目の前に財産が提示されれば考えが変わることも当然あり得るだろう。

もし、事前に遺産分割協議を行い、その通りの遺産分割を実現したいのであれば、絶対やらなければならないことがある。

それは、被相続人にきちんと遺言書を作ってもらうことだ。

もちろん、遺言書にも形式や内容に法の規制が存在するためどのような内容でも実現できるとは限らない。

事前の遺産分割協議で、特定の相続人だけに相続させないことを決め、その内容の遺言書を作っていたとしても、遺留分により相続人が一定額の相続権を有することもある。

しかし、遺言書があれば、当事者のうち誰かが土壇場で意見を翻したとしても、当初の話し合いに近い内容で遺産分割を実現することができるだろう。

事前の遺産分割協議は法的には何ら意味のないただの井戸端会議のようなものだ。絶対に過信してはいけない。

常忠さん、之博さん、遥祐さんら3兄弟と同じ轍を踏んでしまわないためにも、我々は重々肝に銘じておかなければならない。

 

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。