3人で等分する形で和解
遥祐さんは一旦は「相続しない」と宣言しておきながら、父が亡くなると「やっぱり相続する」と手のひらを返した。その遥祐さんの主張に、常忠さんと之博さんはどうしても納得できなかった。
3人で言い争う状況が半年以上続いたものの、結局、話し合いはまとまらず、最終的に家庭裁判所に持ち込まれることになった。
ただ、裁判所は遥祐さんの主張を認め、相続財産は3人で等分する形で和解することになったのである。
遥祐さんは主張通り相続できて満足した一方、常忠さんと之博さんには、強い不満が残った。
「約束したのに、何なんだあいつは」常忠さんはそう毒づき、「父が生きているうちに話をつけた意味は何だったのか」と之博さんは怒りを隠さない。
「お前がちゃんとしないからこうなったんじゃないか?」常忠さんは之博さんに八つ当たりをはじめる始末。
之博さんはそんな常忠さんに嫌気がさし、現在は連絡を取ることもなくなったという。
もちろん、遥祐さんと連絡を取ることもなくなり、絶縁状態に。3兄弟の絆は完全に砕け散ってしまった。
私は今回の記事を執筆するにあたり当事者の常忠さんから直接話を聞いた。
私は3兄弟の全員と親交があったのだが、之博さんと遥祐さんは口にしたくないようで強く拒絶されてしまった。
一方、常忠さんは私にこう語ってくれた。
「事前の話し合いはあくまで事前の話し合い」「経済状態は時間の経過で大きく変わる」「人の気持ちは不変じゃない」
