パートナーとは隠しごとなく、何でもオープンに話せる関係でありたい。お互いを信頼してスマホのロック番号まで共有しあえるほどの関係に、誇りを持っている人も珍しくありません。しかし、どれほど仲が良く見えても、心の底に潜む「これくらいは大丈夫」という小さな油断が、平和な日常を一瞬で壊してしまうことがあります。「信じたい」という温かな気持ちと、「裏切られた」という冷酷な現実。 身近な安心感の裏に潜む落とし穴と、一感の過ちが引き起こす代償の大きさを考えます。
オープンすぎた夫婦関係の落とし穴
「ロックの解除番号、前と同じ誕生日のままだよ」
大手メーカーで営業職を務める高橋大樹(41歳)は、3歳の娘と妻の真由美(39歳)の3人で暮らしていた。世帯年収は約900万円で、将来の教育資金やマイホーム購入を見据えて貯金額は1100万円ほどあった。隠し事のない夫婦関係を理想とし、お互いのスマートフォンを自由に見合えるほど仲が良いのが自慢だった。
しかし、その油断が大樹の命取りとなる。真由美が子どもの写真を転送しようと大樹のスマホを開いた際、見知らぬメッセージアプリの通知が目に飛び込んできたのだ。
画面には「昨日のデート楽しかったね」「奥さんにバレないようにしようね」という生々しい言葉が並んでいた。
身勝手すぎる夫の支離滅裂な言い訳
相手は大樹と同じ部署の年下女性社員だった。裏切りの発覚に泣き崩れる真由美に対し、大樹は土下座して謝罪した。しかし、問い詰められる中で出たのは呆れた本音だった。
「本当にごめん! 家族も愛しているし、真由美と離婚なんて絶対に嫌だ。ただ……彼女、本当にかわいそうな子でさ。僕が守ってあげないといけない気がしてて。できれば誰も傷つけずにこのまま続けたいんだ」
身勝手すぎる言葉に、真由美は言葉を失った。
